食べることに傲慢でありたくない、
そんな思いで、オーガニックビールを作り始めました。
美味しいを追求するだけでなく、その食べものが作られた背景をもっと考えたい。
作物を栽培する上で、土壌に負荷をかけていないか、
家畜や魚を育てるときに、過度な成長を促していないか、
作りすぎてはいないか、採りすぎてはいないか。
食べものの背景を考えることが、自然との調和を保つことになる。
それを忘れないために、私たちはオーガニックであることを選んでいます。
私たちも自然界の一部。
その土地の水や土や気候や食べもので形成されています。
その土地で育まれる食は多様で、土地の風土を表しています。
当然、私たちのビールも日本の風土に根ざしたビールです。
喉を通りやすく、すっきりしていて主張しすぎないビール。
ビールの個性は、醸造場に流れ込む名水百選の天然水が決め手になり、
酵母が性格付けをしています。
私たちの料理の基本は発酵です。味噌、醤油、塩麹を使いこなしてこその料理です。
ビールは海外で生まれた飲み物ですが、こうして日本の水で作られ発酵させたビールを、
日本食文化の知恵である発酵を生かした料理に合わせるのは
とても自然なことで、日本ならではの良い相性です。
豊かな海のために、豊かな山のために、賢い里山であるために、
私たちは、責任がもてる食材を選び、発酵という知恵を生かし
調理をしていきたいと思います。
大切な食材ですので、日本の知恵を生かし、捨てること、余らすことを極力減らし
くまなく食材を使い切る工夫をしています。
調理とは、理 (ことわり)を整えること。
美味しいことは、自然にやさしいこと、自然の理 (ことわり)の上に
成り立っていると考えています。
人に 自然に やさしく。ビールも料理もやさしく。